つい2年ほど前まで大量の持ち物に囲まれた圧迫感のある汚部屋で生活をしていました。多くのミニマリストを研究して自分なりにすっきりシンプルに暮らすために試行錯誤した結果、2年間で半分にまで持ち物を減らせた自分の体験をお伝えします。
「普通の人の約1.5倍の量ですね」
この言葉は今の住居に引っ越す際に、引越業者さんに聞いてみたら返ってきた言葉です。それまで自分の持ち物の量が他人と比べて多いとか少ないとか考えたこともありませんでしたので自分は多い人なんだとはじめて自覚した瞬間です。
今の住居は5畳ほどの洋室が2部屋と2畳ほどのキッチンにバス・トイレは別だけど独立洗面台はなし。ベランダに洗濯機置き場があります。間取りでいうと2K、30平方メートルの賃貸マンションでひとり暮らしをしています。部屋は1つをソファーとテレビを置いてリビングとして、もう1つをベッドとパソコンデスクを置いて寝室として使っています。
圧迫感のある汚部屋
備え付け収納は各部屋に1つ。荷物の多い自分はこんな収納では到底足りず、ハンガーラックに備え付け収納に入り切らない洋服を吊るして保管。パソコンデスクの下には3段引き出し収納を2個にガジェットの小物がぎっしり。少しでも量を置きたいから天井に引っ付くくらいの高さの多目的棚を置き、書籍を目一杯収納できたことに喜ぶ。壁には好きなスポーツチームのレプリカユニフォームをいくつも飾って覆い隠す。メタルラックが床面積を奪っていく。まだまだ入り切らないので、ベッドの下、ソファーの下など隙きあらばそういったところに押し込んでいる状態で、いま考えると圧迫感がハンパない部屋でした。そして汚部屋でした。
2年半ほど前に、YouTubeでたまたま観た動画でミニマリストの存在を知り、断捨離という言葉を知り、汚部屋の片付け動画などを観まくっていました。YouTubeに出てくるミニマリストの生活を見るとモノをいかに持たないことを競うように、「冷蔵庫を捨てました」「テレビを捨てました」、ベッドどころか布団も捨てて「寝袋で寝てます」みたいな人もいて、観ている分には楽しいのですが、自分には到底真似できないなという思いでいました。
しかし観ているうちに憧れさえ抱くようになりました。そんな中、シンプリストという人の存在も知り、モノをできるだけ排除して最低限を目指すミニマリストではなく、モノの数にこだらわず本当に自分が気に入ったモノだけを残して生活をするシンプリストを目指してみたいと思うようになりました。ここから持ち物すべてを精査する旅がはじまりました。
半分に減らすまでにやった10のコト
自分のようにもともと溜め込む性格の人がモノを減らすには、勢いやきっかけが必要だと思いました。そしてある程度捨てることに慣れてくると、不思議なもので今度は何だか捨てることに対して快感を覚えてしまうのです。実行した順番に並べてみました。
衣類を断捨離する
自分の中では捨てるハードルが一番低かったものです。今考えるとクローゼットの肥やしになっていたものがあるわあるわ(笑)。襟などが黄ばんだシャツ、虫に食われたスーツやセーター、ウエストが細すぎて履けないズボン、今どきいないだろ!時代や趣味が合わなくなった柄もの、もう何シーズンも着ていないコートや上着、1週間じゃとても履ききれない量のトランクスや靴下などなど…。
もう、ときめくとかときめかない以前の問題で、着たり履いたりできないものが想像を超えるくらい大量にありました。ざっと3分の2くらいは捨てた感覚です。正直なところ、おしゃれじゃないからたくさん買ってしまう傾向ってあるはず。ここ2年くらいは一切買うのをやめました。それに、気がつくといつもだいたい同じような服装になってるし(笑)よくミニマリストの方々が言う、私服の制服化にシフトチェンジしようかなと思っています。
書籍を断捨離する
一番多い書籍は仕事柄、Webデザインやプログラミングに関するいわゆる技術本でした。このジャンルの書籍は数年前からはほとんどを電子書籍で購入していましたが、それ以前に購入したものを読みもしないのに、捨てずにただ本棚に並べているだけでした。
これらの書籍はトレンドの変化や技術的に古いなど、中古市場でも価値のない書籍だとわかり、数回に分けて100冊以上は捨てました。まだ中古市場で価値のありそうな書籍はフリマアプリに出品しています。
製品の外箱(空き箱)を捨てる
「次に引っ越すときのために」「いつか売るときのために」とついつい外箱(空き箱)を取っておく悪い癖がありました。靴の空き箱も保管しているときがありました。今考えるとこれは本当に収納空間を無駄に消費しているだけで無意味でした。今は定期的に買い替えをしている iPhone や iPad 、一眼カメラなどリセールバリューが高いものや精密機器を除き全部処分しました。
収納を手放す
今まで備え付け収納に入らなかったものを収納棚や収納ケースに入れていたわけですが、衣類を減らし、書籍を減らし、空き箱を捨てると、備え付け収納にも余裕ができるので、収納を手放すことができます。
あらゆる敷物を捨てる
部屋に敷いていた毛足の長いラグ、トイレマット、お風呂スノコも全部処分しました。これらは掃除・洗濯が面倒、かえって不衛生、無くても困らないというミニマリストの影響を受けており、実践してみて本当に何の問題もありませんでした。
書類をデジタル化する
どうしても原本がないとというもの以外は、プリンタ複合機でスキャンしてデジタル化しました。
もっと手軽にスマホのスキャンアプリでデジタル化する手もあります。代表的なアプリを下記に挙げておきます。
- Evernote Scannable
- Adobe Scan
- Office Lens
カメラアプリで撮る場合と違い、歪みを補正してくれたり、文字を起こしてくれたりもするのでとても重宝します。
使っていないものを片っ端から売る
これまで売るといったらヤフオク!しかやっていなかったのですが、メルカリ、PayPayフリマにも出品しました。そしてジモティーの存在を知り大きく変わります。
それまで粗大ゴミとしてお金を払って捨てるしかないと考えていたようなものを欲しいという人が現れたり、数百円から千円程度なら売れるけど送料のほうが高くついちゃうから買わないよね?なんていうものを欲しいからと引き取りに来てくれる人が結構いて衝撃的でした。
手数料が一切かからないので敷居が低く、捨てるくらいならとりあえず出すだけ出してみようという気にさせてくれます。
思い出グッズ・お宝グッズを絞り込む
引っ越しの度に、ただただ箱に入れて保管されていただけのパンドラの箱です。捨てる、手放すことは、今まで何十年もずっと持っていたとことの意味が無くなるような気がして、選別するのに時間を相当要します。
昔好きだったアイドルのEP盤やLP盤、写真集、雑誌、コンサートのパンフレット、LD(レーザーディスク)、録画したVHSビデオテープ、学生時代のアルバム、使用していた歴代のガラケーなどなど。
それらの中ではアイドル関係のものが一番手放し易かったですね。理由は簡単でもう今は好きではなくなったからです。あらかたをフリマアプリで売却しました。一番嵩張るのがVHSビデオテープで、映画など録画してたものは全捨てして、主に音楽番組なのですが、テレビ番組を録画したものはデジタル化して残そうとしているのですが、なかなか進みません。
複数あるものを絞り込む・兼用できるものを探す
いつの間にか溜まって増えてるものを整理します。
まずは玄関。傘は何本ありますか?結構増えたがち傘。自分は長傘1本、折りたたみ傘1本、近所外出用にビニール傘1本を残して処分しました。
次に住居用洗剤。お風呂用。トイレ用、キッチン用などでそれぞれ持っていたものを「ウタマロクリーナー」1本で用が足りることがわかり、使い切ったところで切り替えました。クエン酸、セスキ、重曹、アルカリ電解水、○○専用などという言葉に踊らされないで兼用できるものを探すことが大事です。
その次、トイレです。消臭剤や芳香剤を置いてませんか?今、一体型になったトイレットペーパー「エリエール消臭プラス」が売っています。これで消臭剤や芳香剤も手放すことができました。
細かいところだと文房具。ボールペン、シャープペン、カッター、はさみ、ホチキス、マジックなどは絞り込んで少なく、また鉛筆や鉛筆削りはシャープペンで代用が利くので処分しました。用途が同じな修正液と修正テープ、スティックのりとテープのりなどはどちらか一方にするなどして文房具の量を半分にまで減らしました。
持ち物を把握できる仕組みをつくる
自分もそうでしたが、持ち物が多い人の特徴は持ち物すべてを把握できていないことがほとんどです。ある程度片付いたら、それらをデータベース化することをおすすめします。
自分が実践している方法を3つお伝えします。
服の管理に使っているのが、「Pinterest」です。本来の使い方は、自分の写真または検索などで自分のお気に入りの写真を保存できる写真共有サービス・アプリです。何かテーマやジャンルとに作成したボード(フォルダ)にピン(写真)を保存していく簡単な構成になっています。
シークレットボードと呼ばれる自分だけが見られる非公開のボードが作成できます。その中に写真を購入時期、価格、購入店舗などのメモと一緒に保存すれば自分の持っている服のアルバムが完成します。自分は服以外にも、バッグや靴もこのアプリで管理しています。スマホで撮影してアプリに送れるので手軽なうえ、外出先で買い物の際に持ち物を確認したい場合もすぐに見られるので重宝しています。
まず、家電製品には「トリセツ」という無料のサービスがあります。取扱説明書を PC・スマホで一元管理、「いつでも・どこでも」閲覧できるサービスです。商品を型番などで検索して追加するだけで、写真と取扱説明書のURLなどの基本データが自動でセットされます。任意で購入時期、購入価格、購入店舗などのデータを入力すれば立派なデータベースになります。
そして今、各所で話題になっているのが「Notion」というサービスです。クラウドメモ、クラウドノートなど呼ばれるジャンルで、メモ、タスク管理、データベースなど複合的な内容を盛り込めます。基本的な機能はすべて無料で使えます。
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